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角皆 静男*; 河田 健太郎*; 渡邉 修一*; 荒巻 能史
Journal of Oceanography, 59(5), p.685 - 693, 2003/10
被引用回数:28 パーセンタイル:48.21(Oceanography)2000年と2001年、北西部日本海におけるフロン類(CFC-11)の鉛直分布を得た。2000年の観測では、ウラジオストック沖合約300kmの観測点において表面から海底直上(3400m)にかけて減少していた(6-0.3pmol/kg)。翌年の同一観測点では、底層水中で2pmol/kgが観測され、CFC-11の増加が確認されたが、この観測点の北東450kmの観測点では確認されなかった。これは、大陸棚斜面に沿って表層水が潜り込み、底層水が再生された結果と考えられる。この増加は、海底付近のみならず水深3000m以浅でも観測された。水深3000m以深の水柱におけるCFC-11存在量は、前年の4倍にあたり、前年の水柱全体の存在量の1/6程度である。この結果は、この2年間に表層水が底層水の3%を再生させた、あるいは表層・深層の海水交換が毎年起こっていると仮定して約30年で底層水の全てが表層水と入れ替わることを意味している。
千手 智晴*; 荒巻 能史; 乙坂 重嘉; 外川 織彦; Danchenkov, M. A.*; Karasev, E.*; Volkov, Y. N.*
Geophysical Research Letters, 29(7), p.53_1 - 53_4, 2002/04
2001年夏、われわれは、例年に比べ厳しい寒さであった2000-2001年の冬季後に日本海底層水が新たに形成されていることを世界で初めて観測した。この日本海北西部海域で観測された新しい底層水は、従来から存在する底層水に比べて低温,高塩,高酸素及び低栄養塩を示した。さらにこの新しい底層水の分布状況は、日本海における海水の深層への沈み込みが日本海北部海域ではなく、ロシア・ウラジオストック南方沿岸で起こっていること,形成した底層水が沈み込んだ海域から今回観測された海域深層へ移流していることを示唆した。底層水が観測された海域に2000年夏から1年間係留した流速計の記録は、2001年2月中旬に急に10cm/secを超えるような下層への強い流れを示しており、2001年1月下旬から2月初旬に海水が表層から深層への沈み込んだことを示唆しているものと思われる。2000-2001年冬季の底層水形成イベントは、日本海における底層水の酸化傾向の抑制,さらには温度躍層循環のスピンアップに寄与する可能性がある。